結婚のカタチ~『妻が結婚した』
妻が結婚した 2008年・韓国
監督:チョン・ユンス
出演:キム・ジュヒョク、ソン・イェジン、チュ・サンウク
妻が結婚する?どういうことなんだろうと思って見始めると、全くそのまま、妻が「結婚したい」と言い始めるので、その文字どおりのできごとに、正直唖然とする。
とにかく、この“妻”であるイナが、自由奔放、恋愛中から夫となるドックンの度肝を抜くようなことばかり。かわいくて、お酒が大好きで、仕事もできてちょっとエッチ。ドックンならずとも、男性が彼女にメロメロになるのもよく分かる。
イナを見ていると、まるで息でもするように恋をしているようで、ドックンと付き合っていても他の人を好きになるし、二人でお酒も飲めば、ベッドも共にする。そんな彼女にふりまわされっぱなしのドックンが、おかしいけれど、だんだん気の毒にすらなってくるほどに、彼女は自由。ましてや、彼女に悪気がなく、悪びれてもいないだけに、ドックンの空回りが虚しく見えてしまうのだ。このあたりは、ドックンを演じるキム・ジュヒョクが実にうまく、身悶えするような彼のジレンマに、まるで自分がドックン自身になってしまったような気になって、胸が苦しくて、涙すら出そうになってしまう。思わず、自分をドックンに重ねてしまう。
それでも彼が、イナを大好きで、たまらなく愛おしく思っていて、なんとか彼女の行動に折り合いをつけると、またイナはさらに高いハードルを持ってくる。また、ドックンは死にものぐるいでそれを越えていく、その繰り返しをしているうちに、だんだんとドックンにも、イナにも感情移入してしまう。
「前は結婚なんて考えてもいなかった。でも、あなたと結婚して、とても幸せだと分かった。だから、好きな人ともちゃんと結婚したい。」
イナが、ドックンに別の男性と結婚したいといったときの言葉。
付き合うのでも、浮気でもなく、結婚にこだわるイナの思考にはなかなか追いつけないけれど、それでも彼女が本気で恋愛をして、真剣に相手と向き合っていることが分かるこの台詞は、ひどく感動的だった。
理性や理屈でははかりきれない妻の奔放さに、夫はどう彼女とつきあっていくのか。凡庸な倫理とか道徳観が通じない相手を前にして、揺らぐ価値観に不安を隠せないドックン。一方のイナもドックンに出会って価値観を揺さぶられ、新しい生き方を模索しているんだとお話すが進むにつれ分かってくると、いびつな彼らの関係も、調和のとれたものにすら思えてくる。
そして、イナに振り回されっぱなしで情けないことこの上なかったドックンが、だんだん堂々として見えてくる不思議な気持ちのよさが残る。
男性が二人の女性と同時につきあおうとする話はありふれているのに、女性が別々の男性と結婚したいというと、どうしてこんなに刺激的な話になるんだろう?
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久しぶりの映画館は、やっぱりよかったです~。しかも、キム・ジュヒョク初スクリーン鑑賞。映画やドラマ以外のキム・ジュヒョクは、なかなかのお洒落さんですが、この作品のドックンは、会社員スーツがいちばんかっこよく見えてしまうというダサダサぶり。そのギャップもおもしろかったな♪
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