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2013年3月

2013年3月15日 (金)

アジアと関係ないけれど…

 作家の北原亞以子さんが亡くなられたそうです。

 ちょっとしたきっかけで時代小説を読もうと思ったとき、本屋さんで見て選んだうちの一冊が、北原亞以子さんの『深川澪通り木戸番小屋』でした。それまでほとんど時代小説というジャンルには手を付けていなかったので、どんな作品が有名だとか、どの作家さんが注目だとかそういった情報はいっさいなし。
 ただ一つだけ。そのときに活躍している、つまり存命の作家さんの作品を買ってみるということだけ決めていました。せっかく挑戦するジャンルなので、気に入った作家さんの新作が発売される楽しみを味わいたかったし、次の作品はどうなるのかななんて気分を楽しみたかったからです。

 一ページ目の文章を読んだ感触だけで選んだ三冊のうち、いちばん好きだったのが『深川澪通り木戸番小屋』で、それから一気に作家読みしたほどです。
 北原亞以子さんの数ある作品の中でいちばんのお気に入りは『まんがら茂平次』。万に一つも本当のことがないという、筋金入りのほら吹きの茂平次を主人公に、彼とさまざまな人びとの出会いと、別れ、そして新たな門出が暖かいまなざしで描かれた連作です。
 一冊の本の中にある悲喜こもごもに泣いたり笑ったりしながら、いっしょになって束の間の時を過ごしたような喜び、連作というものの本当のおもしろさを知ることができました。

 今まで呼んできた中で10冊、いや3冊だけを選べと言われたら、迷わずこの『まんがら茂平次』を手に取る、そんな作品です。

 エッセイなどでも、もともとあまり体がお元気でないと書いていらっしゃったし、このところ新作も少なかったので心配していましたが、75歳は今の時代まだまだ逝かれるには早すぎます。
 人気シリーズの『慶次郎縁側日記』も、もっともっと読みたかったし、『木戸番小屋』シリーズもまだまだ書いてほしかったです。

 一番好きな作家さんの訃報は、やはり辛いけれど、手元にある作品をまた読み返してみるつもりです。

 心からのご冥福をお祈りします。

まんがら茂平次 (新潮文庫)  深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)  贋作 天保六花撰 (講談社文庫)  あした 慶次郎縁側日記

 『贋作 天保六花撰(うそばっかりえどのはなし)』もいいし、画像はありませんが『降りしきる』という短編集の中の『埋もれ木』も、切なく胸に残る名作です。

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