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2010年8月31日 (火)

『月の恋人-Moon Lovers』、原作本のほう

月の恋人―Moon Lovers

 林志玲(リン・チーリン)が出演しているので気になりつつ、いつの間にか終わっていて、結局一度も見る機会がなかったフジの月9『月の恋人』に、原作本がある。しかも、それをミステリー作家のイメージが強い、道尾秀介が書いているということで読んでみました。

 ドラマを一度も見ることがなかったとはいえ、主演が木村拓哉だということは事前に知っていたので、初めは文字を追っていても、主人公の蓮介がキムタクの映像になってしまいましたが、読んでいくうちにだんだんとそれも薄れて、まったく別個の人物として感じられるようになりました。
 聞くところによると、原作とドラマはかなり設定も、あらすじも違っているようなので、どちらがどうとは比べられませんが、仕事を通じた成長譚として、十分におもしろいお話でした。
 ちょっとした恋愛あり、友情あり、はしばしに微笑ましいところがあって、働くこと、生きていくことを考えさせてくれる、いいお話です。

 ただ、どうにも気になってしまうところもあります。
ドラマでは林志玲が演じたであろうシュウメイや、上海でのことに関する設定のいくつかです。

 小説での設定は以下のとおりです。
 名前は、リュウ・シュウメイ。上海では、家具工場で働いていたが経営難となった工場は、日本の企業に買収され、現在無職となった台湾人。
 香港で台湾料理のシェフとして働いていた父と、母の間に生まれ、台湾料理店を開くため家族で日本へ渡るが、商売がうまくいかない父と離婚した母に連れられ、1歳のときに中国(上海?)に戻る。
 その後、9歳のときに父方の祖父に連れられ、一度日本にいる父のもとを訪れる。
 そして二度目の日本行きは、大学時代に友人たちと観光で。

 お父さんは台湾料理のシェフということは、たぶん台湾人なのでしょう。でも、シュウメイたちが台湾ではなく、上海に戻っているということは、お母さんは上海人?こういう場合に、果たしてシュウメイを台湾国籍のままにしておくのでしょうか。
 9歳のときの日本行きは、家族を訪ねるということでありえるかとも思いましたが、後の展開をみると、当時のお父さんの状況で家族を呼べるかどうかは、少々疑問です。中国からの個人旅行ビザにおける所得条件が緩和されたというニュースが話題になったことでも分かるように、つい最近まで中国の人が日本に団体旅行以外で来るには、かなり大変な手続きが必要でしたから。
 そして、二度目の来日。特別裕福でもなさそうな中国の大学生が、在学中に日本に観光旅行なんてする余裕はあるのかしらん?ツアー旅行といったって、けっこうな金額だと思うし、向こうの学生は勉強が忙しいから、そうそうアルバイトもできないだろうし。もっとつっこむなら、中国で大卒の女性が、家具工場の現場で実際に家具を作る仕事(←しかも、アーティスティックなものじゃなく、ニスを塗ったり、木を切ったり)に就くというのも、かなり不自然な印象です。
 台湾人でも、上海人でもいいんだけど、どうしてこんなややこしい設定にわざわざしたんでしょう。作者の他の作品を見ると、伏線をちりばめたり、叙述トリックで読者を見事に騙したりという手法が鮮やかなだけに、この辺りがドラマ化の縛りだったんじゃないかと邪推します。というか、作者の作品をおもしろく読んできただけに、そうであってほしいです!

 あと、主人公の蓮介は、中国語がネイティブ並に堪能という設定でしたが、場所は上海。上海では上海語もかなり使われるし、北京なんかのいかにもな普通話と違って、かなり南方訛りの普通話です。冷徹で切れ者っぽい蓮介が、南方訛りの中国語を流暢に話しているのか、それとも、その場で浮きまくるのを承知で、巻き舌音ばりばりの北方標準中国語を話しているのか、この辺りはどっちにしても想像するとおもしろいです。
 イメージとしては、外国からやってきた切れ者社長(イ・ビョンホンとか、ジュード・ロウとか、意外性があれば誰でもよし)が大阪に進出。へたな日本人より巧みな大阪弁を話して、地元経済人たちと交流。または、周りのすべてがこてこての大阪弁なのに、一人アナウンサーのような流麗な標準語で会話するっていう感じかな?

 いろいろ書きましたが、実はこのへんはさらっと読み流しても、お話そのものは十分に楽しめます。登場する人たちが魅力的で、彼らがおりなす物語も爽やかな後味なだけに、ドラマ云々とは別に小説作品単体としておもしろく読めました。

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