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2007年4月25日 (水)

テレサの声を聞きながら~『私の家は山の向こう』

 いきなりですが、この本のあとがきは三浦しをんさん。彼女とテレサ・テンがあまり結びつきませんでしたが、丁寧で読み応えのあるあとがきで、本屋さんで見て買いたいと思った一因です。そこで書かれているように、読み終えると無性にテレサ・テンの歌声が聞きたくなるというのほんとうで、これもテレサのCDを聞きながら書いています。

 中華圏では知らぬ者のない、テレサ・テンという一人の歌い手の一生が、淡々とした筆致でつづられています。始めは、それがさっぱりしすぎて、物足りなさすら感じたのですが、彼女が天安門事件に関心を持つあたりから、かえってその冷静さがちょうどよい熱冷ましとして作用してくれたような気がします。
 台湾生まれのテレサですが、彼女の両親は国民党といっしょに中国大陸からやってきた外省人と称される人たちです。その彼女が、台湾を愛し、香港に住まい、中国の天安門広場でコンサートを開くことを夢見る。ときにはアメリカで学び、パリに居を構え、日本で仕事をし、世界中を飛び回るさまを思うと、なぜか複雑な地域どうしの結びつきとしがらみを一人でしょいこんでしまっているようにすら見えてきました。
 もし彼女が、台湾生まれの両親を持つ台湾人であったなら、あるいは香港人であったなら、シンガポールやマレーシアに住む華僑であったなら、違う形で彼女に歌の道がひらけていたのかもしれない……そんなことを考えてしまいました。

 天安門事件が起こったのは1989年6月4日。今も、あのときの映像と、衝撃が鮮明に思い出されます。
 あれから、中国もいろいろな面でずいぶん変わったように思いますが、テレサ・テンが今の中国を見たら、いったいどんな感想を持つんだろう。聞いてみたい気がします。

私の家は山の向こう
有田 芳生著
文芸春秋 (2007.3)
通常24時間以内に発送します。

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